「海」の月間~二十四節気編vol.12~

まずは、お詫びから申し上げます。

前回のブログで「梅雨もあけ」と書いてしまいましたが、関東では梅雨明けの発表前でした。申し訳ありません。

先日、九州から東海地方までは梅雨明けしました。

 

さて、暑さも真っ盛りの昨今、7月22日からは「大暑(たいしょ)」という節気になります。

こう暑いと、川や海など水辺へ出かけたくなりますよね。

国土交通省は、「海」のもたらす様々な恩恵に感謝し、四方を海に囲まれた海洋国の繁栄を願う日として、平成15年から7月第三月曜日を「海の日」と定めました。

「海」の月間は、「海の日」を含む三連休を軸に、広く国民に「海」に対する理解と認識を高めてもらうために7月1日~31日の期間で設けられています。

弊社では河口から海岸付近までの環境調査は行っておりますが、本格的な海洋調査は現在のところ範疇の外です。

ただ、休日などに個人的に調査している社員もおります(釣りも含む?)。

生命の起源と言われる「海」には、とても魅力がありますね。

みなさんもこの機会に、様々なカタチで「海」とふれ合ってみては如何でしょうか?

ただし危険も多くあるので、お出かけの際は十分にお気をつけて。

 

末筆になりますが、暑中お見舞い申し上げます。

写真は見ると幸せになれるという、ザトウクジラの尾ひれです。

「Tail Slap」(奄美大島近海クジラ調査船にて撮影:4月)

「Tail Slap」(奄美大島近海クジラ調査船にて撮影:4月)

 

カメラ機種 : NIKON D600

レンズ:AI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

露出制御モード : シャッター速度優先AE

レンズの焦点距離 : 300.00(mm)

シャッター速度 : 1/1000秒

レンズF値 : F5.7

露光補正量 : 0/6

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 200

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

「暑」っ ~二十四節気編vol.11~

7月7日からは「小暑(しょうしょ)」という節気です。

「夏至(げし)」も過ぎ、梅雨もあけ、夏も本番の気配です。

NASAの気象学者も2016年の夏は史上最も暑くなると警告しているように、7月2日には金沢で37.0℃を記録するなど猛暑が始まっています。

皆さまも、どうかご自愛くださいますように。

「夏至は一年で最も太陽が高く、昼の時間が長い日です。」という内容を、前回のブログで申し上げました。

そんな太陽エネルギーが長時間降り注ぐ、夏至の前後が最も暑くなるのでは?と思う方もいると思います。

しかし、暑さはこれから増してきます。

一日のうちで気温が最も高くなるのは、14~15時頃と言われています。

これは、日の出前に下がりきった気温が、正午までに上がりきらず、午後になってピークを迎えるという現象です。

四季のある日本では、一年を通じても同じことが言えるのです。

気温はその年の大気の流れや海流(海水温)などに影響を強く受けますが、一般には、冬の間に下がった日本周辺の気温が春から徐々に上がり、やがて太陽エネルギーのピーク(夏至)を過ぎて、月単位の時間差で「小暑」→「大暑(たいしょ)」へと移行してゆくというわけです。

小暑は一日で言うなれば、13~14時頃ということになります。

節気についてブログを書くようになって、日本人の時間的、季節的な感覚はこういった現象を科学的にかなり正確に反映していることに驚かされます。

我々はこれからの時期、こまめな休憩と水分補給で、野外調査での熱中症に留意するとします。

写真はせめてもの「涼」を・・・。

滝

スローシャッター

カメラ機種 : SONY ILCE-6000

レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

露出制御モード : シャッター速度優先AE

レンズの焦点距離 : 16.00(mm)

シャッター速度 : 1/10秒

レンズF値 : F6.3

露光補正量 : EV0.0

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 100

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

至る「夏」 ~二十四節気編vol.10~

6月21日は「夏至(げし)」です(正確には夏至という節気の初日です)。

「夏至」は一年で最も昼の時間が長い日というのは、ご存じの方が多いと思います。

夏至に対して「冬至(とうじ)」は一年で最も昼の時間が短い日です。

調べてみると日本の中でも夏至と冬至の昼の長さにはずいぶんと差がありました。

北海道では、夏至の昼間が16時間41分、冬至の昼間が8時間45分でその差は7時間56分になります。

一方、沖縄では、夏至の昼間が13時間48分、冬至の昼間が10時間31分で3時間17分の差があります。

地球の緯度によって、これほどまでに差があることに驚きました。

つくづく日本は南北に細長い国だと認識させられます。

世界的にみても緯度の高い北欧の国々では、夏至の日には花飾りをしたり、火を炊いたりして短い夏を祝うお祭りを行う風習があるようです。

間もなく関東も梅雨明けになりますが、雨間(あまあい)に、みずみずしい紫陽花を愛でるのもよいかと思うのです。

アジサイ

「雨間」(アジサイ)

カメラ機種 : SONY ILCE-6000

レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

露出制御モード : 絞り優先AE

レンズの焦点距離 : 35.00(mm)

シャッター速度 : 1/320秒

レンズF値 : F5.6

露光補正量 : EV-0.7

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 400

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

「種」を蒔く頃 ~二十四節気編vol.09~

6月5日からは「芒種(ぼうしゅ)」という節気になりました。

「芒種」もあまり聞き慣れない言葉ですが、どんな意味なのでしょうか?

「芒(のぎ)」とは実の殻にある針状の毛のことをさします。

もともとは、今頃が稲や麦などの「芒」をもつ穀物の種を蒔く時期でした。

現在では、ほとんどの地域で田植えは5月の連休頃ですが、山間などでは6月に入ってからの田植えもみられます。

そろそろ梅雨入りも間近ということで、今回はニホンアマガエルについての小ネタです。

北海道から本州まで分布し、多くの人になじみ深い小型のカエルです。

※vol.06「穀雨」にも写真あります。

5~6月は繁殖期にあたり、少し郊外へ行けば夜の水田で大合唱をしています。

この大合唱は「広告音」と呼ばれるオスがメスに存在をアピールする鳴き声。

それとは別に繁殖期でなくとも、気圧や湿度の変化によって、間もなく雨が降るのを察知すると昼間でも鳴き始めます。

これは「雨鳴き」や「レインコール」、「シャワーコール」と呼ばれる鳴き声で、優秀な天気予報士、「雨蛙」の名前の由来になっています。

もしも庭先でニホンアマガエルの鳴き声を聞いたなら、折りたたみ傘を持ってお出かけすることをオススメします。

「水田の広告音」(ニホンアマガエル)

「水田の広告音」(ニホンアマガエル)

カメラ機種 : SONY ILCE-6000

レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

露出制御モード : プログラムAE

レンズの焦点距離 : 50.00(mm)

シャッター速度 : 1/60秒

レンズF値 : F5.6

露光補正量 : EV-2.0

フラッシュ : 強制発光・リターン検出

ISO感度 : 100

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

 

「麦秋」 ~二十四節気編vol.08~

5月20日からは「小満(しょうまん)」という八番目の節気です。

小満の由来は、秋に種を蒔いた麦の穂が育ち、一安心(小さな満足)することから、「小満」という説が有力です。

「小満」は実った麦の収穫時期にあたることから、「麦秋(ばくしゅう)」とも呼ばれます。

別の解釈としては、江戸時代に書かれた暦に関する本には「万物 盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されていて、生命が満ち溢れんばかりに躍動する時期という意味にもなりました。

確かに新緑が溢れ、動物や昆虫たちも活発に動き回っています。

人間の衣替えの季節でもあり、半袖で過ごす日も増えてきました。

そんな「小満」の頃の一枚は、雨上がりの麦畑です。

東京近郊では見渡す限りの広大な麦畑はなかなかありませんが、所々に規模の小さい畑が見られます。黄金色の穂がつくまでもう少しです。

コツコツ育ててきたものが実り、収穫できるというのは嬉しいことですね。

私たちも生きものに関する知識や技術を経験としてコツコツ積み上げ、これからも研鑽して参りたいと思います。

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

「夏」立ちぬ ~二十四節気編vol.07~

5月5日こどもの日からは「立夏」になりました。

暦のうえでは夏ですが、季節の線引きというのは人の都合もあるもので、3~5月は春と考えられることが多いと感じます。

仕事の都合上、春季の調査は概ね5月末までに行います。

従って、5月は毎年大忙しの月になります。

GWも返上して現場に入る項目も少なくありません。私もその一人でした。

そんな「立夏」の頃に撮影した写真はオオヨシキリです。

夏鳥として渡ってきたばかりのオオヨシキリたちは

枯れヨシの上やヤナギの梢に陣取ります。

目立つ場所で「ギョギョシー、ギョギョシー、ケスケスケス」と

けたたましく鳴き交わし、なわばりの確保をしている様子でした。

オオヨシキリはこの鳴き声から「行行子」とも呼ばれ、初夏の季語となっています。

「行行子 大河はしんと 流れけり」(一茶)

何気ない自然の中の静と動が表現されていると感じます。

いよいよ夏ですね。

オオヨシキリ

行行子~♪

カメラ機種 : NIKON D600

レンズ:AI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

露出制御モード : マニュアル設定

レンズの焦点距離 : 300.00(mm)

シャッター速度 : 1/1000秒

レンズF値 : F10

露光補正量 : +1.0

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 200

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

降る「雨」は百穀を潤す ~二十四節気編vol.06~

いよいよ春も最後の節気。

4月20日からは「穀雨」という節気になりました。

田畑の準備が整い、それに合わせて穀物の成長を助ける雨の降るころという意味合いです。

この穀雨の終盤、5月1日は「立春」から数えて88日目。

雑節の「八十八夜」にあたります。

八十八夜は春から夏に移る準備をする節目の日で、縁起のいい日とされてきました。

また、この頃から安定した気候となり、茶摘みやもみまきなどの目安とされています。

しかし、年によっては急に気温が下がって霜が降り、農作物や果樹に被害を与える

「八十八夜の忘れ霜」や「さつき寒」という言葉もあります。

暖かい雨が降れば恵み、冷たい霜が降りれば災い。

「どうか今年は天候に恵まれ、豊作になりますように・・・」と、

昔から人は天を仰ぎみて祈りを捧げてきたのではないでしょうか?

最後になりますが、

この度の熊本地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

一日も早い復興に何かお手伝いできればと考えています。

 

「雨の夜に」(ニホンアマガエル)

「雨の夜に」(ニホンアマガエル)

 

カメラ機種 : NIKON D600

レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

露出制御モード : マニュアル設定

レンズの焦点距離 : 105.00(mm)

シャッター速度 : 1/200秒

レンズF値 : F16

露光補正量 : EV0.0

フラッシュ : 強制発光

ISO感度 : 100

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

 

「清浄明潔」 ~二十四節気編vol.05~

「万物ここに至りて皆潔斎にして清明なり」

啓蟄や春分と比べると耳なじみがありませんが、

4月4日から「清明」という節気になりました。

冒頭の文言は

「全ての物に清新の気がみなぎり、すがすがしく明るく美しいころ」

という意味になります。謹んで新年度をお慶び申し上げます。

桜前線も東北地方南部まで北上し、すごしやすい気候になってきました。

年度の変わり目も重なって、生活環境が変わる時期でもあります。

そんな「清明」の頃に撮影した写真は大山千枚田です。

山の斜面に整然と織りなされた棚田にはすでに水が張られていました。

東の夜空が白んできた頃、シュレーゲルアオガエルの合唱が少し小さくなり、

遠くからトラツグミのコールが聞こえてきました。

雲間が徐々に黄金に輝き出す頃には、ウグイスやカワラヒワのソングが始まり、

キツツキ類のドラミングも加わって賑やかなオーケストラになりました。

生命感あふれる朝の澄んだ空気に、自然と心も凜としました。

弊社の社員はオンもオフもやっていることはあまり変わらないかも知れませんが、

仕事が本格的に始動して、忙しくなる前に私もリフレッシュ計画を練るとします。

清浄明潔

カメラ機種 : ILCE-6000

レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

露出制御モード : マニュアル設定

レンズの焦点距離 : 28.00(mm)

シャッター速度 : 1/20秒

レンズF値 : F4.5

露光補正量 : EV0.0

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 100

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

「菜」の花 ~二十四節気編vol.04~

「春分(しゅんぶん)」は昼と夜との時間が等しくなる。本格的な春の始まり。
しかし、実際には少しズレがあって、
日本で昼と夜の時間が等しくなるのは春分の4日ほど前って知っていましたか?
生きものが1日の昼の長さ、あるいは夜の長さの変化に反応することを「光周性反応」といい、
発生、成長、繁殖などに重要な要素となります。
植物にも季節の移り変わりを知る仕組みがあり、日長の他に温度の変化で花を咲かせます。
春分を迎え、千葉県茂原市では菜の花が咲き並んでいました。
因みに菜の花とはアブラナまたはセイヨウアブラナのほか、
アブラナ科アブラナ属(カブやハクサイ、チンゲンサイなど)の黄色い花の総称です。

菜の花と言えば有名な歌曲「朧月夜」の詞の中にも、節気を楽しむヒントはあると思います。
菜の花畑に 入日薄れ(視覚)
見わたす山の端 霞ふかし(視覚)
春風そよ吹く 空を見れば(触覚・視覚)
夕月かかりて 匂い淡し(視覚・嗅覚)

里わの火影も 森の色も(視覚)
田中の小径を たどる人も(視覚)
蛙の鳴くねも 鐘の音も(聴覚)
さながら霞める 朧月夜(視覚)
情景を読み取り、表現するのに視覚や聴覚、嗅覚、触覚など
複数の感覚を組み合わせています。
意識して五感を使うと季節の移り変わりを
より繊細に感じ取れるのではないでしょうか。
私はもっぱら味覚で楽しむのが好きですが…。

菜の花の写真

Brassica rapa

カメラ機種 : ILCE-6000
レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
露出制御モード : マニュアル設定
レンズの焦点距離 : 50.00(mm)
シャッター速度 : 1/50秒
レンズF値 : F5.6
露光補正量 : 0/10
フラッシュ : 発光禁止
ISO感度 : 100

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔

30周年を迎えて

環境指標生物は、今から29年前の1987年3月23日に創立されました。今日、2016年3月23日より、30周年の1年が始まります。長いようで、過ぎてしまえばあっという間の30年になります。会社も人の人生も、まぁそんなものでしょうか。

もう記憶もおぼろげですが、私が29歳のときに、それまで7年間勤めた会社を辞めて創ったのがこの会社で、身内から借りた資本金300万円を元手に、東京板橋区の実家2階を事務所代わりにして仕事を始めました。創立当初から割と忙しかったと思います。同年の9月には、新宿区のマンションに小さな事務所を構え、組織も有限から株式に変わりました。

あれから幾歳月が過ぎ、事務所は主に新宿区内を転々として、神楽坂近辺に落ち着いたのが15年ほど前のことになります。過去には札幌支社、仙台支社、高松支社と手を広げましたが、現在も営業活動を続けているのは、東京と札幌だけとなります。また、30年近くにもなれば、社員の顔ぶれもだいぶ変わりました。

野生生物コンサルタント会社としては、もはや老舗と言われてもよいかもしれません。現在は中小の同業態の会社は少なくありませんが、たぶん30年超の歴史があるのは、全国でも片手の数くらいのものかと思います。そうした同業他社さんとの関係も良く、一緒に営業活動をしたり、NPO法人を運営したりしています。

30周年を迎えて、この会社は何かと聞かれると、明快な答を見つけるのは案外難しいと思います。技術力は悪いはずもなく、顧客先からの信頼も厚く、多方面の学会や業界との関係も深い。ただこれは仕事をしていくうえで最低限のことにすぎません。会社としては当たり前のことで、それを続けてきたまでのことです。

私的な話で恐縮ですが、社長の私は30年間一貫して経営者と研究者の二足の草鞋を使い分けてきました。そもそも創業動機が好きな虫の研究生活を自力で創りあげることにあったので。ときどきですが、そうした姿勢が会社文化を培ってきたのではと思うこともありますが、まさかそんなわけもないでしょう。

(新里達也)