12月10日、縁あって大阪府立大学の「環境アセスメント学」の1コマで、実務者として教鞭をとらせていただきました。
私たちの仕事の大半はフィールドワークですが、履修している環境共生科学課程の学生さんたちはフィールド系ばかりではないので、どんなお話をしたものか少し悩みました。環境に関われる仕事はたくさんあるのに、フィールドワークができないことが弱みのように思われては本意ではありません。
講義では、「環境アセスメント」という枠組のなかだけで自然環境の保全を実現するのには多くの困難が伴う、という実務者ならではの視点の話もしたので、がっかりしてしまった学生さんもいるかもしれません。でも、学校でいい成績を修めたり、希望の会社に就職を決めたりするより、ずっとずっと困難なことは、環境畑に限らず、社会に出れば必ず、たくさんあります。
失敗しても失望しても続けていける「好きなこと」が、私はたまたまフィールドワークでした。学生さんたちには学生さんたちの「好きな畑」を見極めてもらって、そこから、豊かな自然環境を次の世代に残していくことに、失敗しても失望しても、しぶとく働きかけていってほしいと思います。むしろ、いろんな立場の人が力を合わせて多方面から取り組むことで、いままで見えなかった解決の糸口がみつかるかもしれません。今回の講義ではそんなメッセージを込めたつもりです。
(高木 圭子)
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