「イタチノマカゲ」という言葉をご存じでしょうか。
辞書を引くと「鼬の目陰」とは、
《イタチが人を見るときに前足を目の上にかざすという俗信から》疑わしげに人を見るようすと書かれています。
人もまぶしい物を見るときや、遠くを見渡すときに手を額にかざします。
実際にイタチが前足を目の上にかざすか否かは、定かではありませんが、
周囲の状況を確認するために、時々後ろ足で立ち上がる行動をとります。
「敵はいないか?」「食べられるものはないか?」
「おや?土手の上に人影が・・・」「何だかこっちをみているな」
「まさか、撃たれやしないよな?」といぶかしがるようすが、そんな俗信を生んだのでしょう。
イタチは疑り深い反面、好奇心が強い動物です。
冬の夕暮れ、渡良瀬湧水地の土手でみかけたイタチも、
何度も何度もこちらを窺いながら徐々に遠ざかって行きました。
両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔
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