明治神宮では、行事と境内の案内を兼ねた、月刊リーフレット「まごころ」を配布しています。境内随所に置いてあるので、参拝者の目に留まる機会も多いかと思います。そのわずか8面の質素な構成のなかに、「杜のいのち」という連載フォトエッセイがあります。
テーマは明治神宮に見られる生きものたち。写真は佐藤岳彦さん、文章は私が書いています。2014年5月から1年は昆虫を扱い、2年目の今年は両生類・爬虫類、来年は鳥の予定です。1年の12回を区切りに、一つの生物グループを紹介する企画です。
はじめは簡単な仕事だと引き受けたのですが、写真1点と原稿用紙1枚に、季節感をもたせ、明治神宮らしさを織り込むとなるとけっこう苦労します。1年目の虫は季節を追って現れるものが違うのでよかったのですが、ヘビ・カエルの類はそうはいきません。一部を除けば季節と関係が低いうえ、寒くなると休眠してしまうので、彼らの出番を作りにくいのです。
そんなわけで、今月あたりからだいぶ怪しい筋書で話を作っています。ヒバカリ(ヘビの仲間・11月号掲載)は、もう野外では姿を見ることはできないので、適当なヨタ話でお茶を濁しました。12月はスッポンの予定ですが、季語は何かと突っ込まれたら、「丸鍋」と開き直るつもりでいます。
(新里達也)
最近のコメント