先日、あるテレビ番組でみたのですが、最近、巷でマンホールウォッチングが密かなブームになっているそうです。デザインが多岐におよんでいることがその理由のようですが、なかにはその土地でしかみられないご当地デザインのマンホールがあったり、さらにはそこでしか手に入らないマンホールカードなるものまで登場し(ダムカードっていうのがあるのは知ってたけど)、一部の人の収集癖をくすぐっているようです。
そんなニュースをみて思い出したのが、数年前に撮影したマンホールの写真です。一見、なんの変哲もないマンホールですが、よく見るとマンホールに通常書かれている「下水」とか「汚水」の文字ではなく、なんと「湧水」と書かれているではないですか。その魅惑的な言葉に思わず二度見して、写真を撮ったときのことをよく覚えています。場所は、東京都国分寺市の街中の道路。そう、あの国分寺崖線に近く、たしかに湧水のありそうなところでした。
湧水というと、緑豊かな山地を流れる清流に湧き出ているシーンを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は都内の市街地でも、古い井戸の跡やちょっとした崖沿いなどで湧出しているところがけっこうあります。一部は公園の池などの水源として整備されていたりするのですが、そのまま人知れず暗渠を通って川に流されていることも多く、なんとももったいなく感じます。湧水は、地域の生物多様性を支えるだけでなく、例えば東京都港区の善福寺にある柳の井戸が関東大震災や東京大空襲の時に飲料水として利用され人々を救ったように(「港区生物多様性地域戦略-生物多様性みなとプラン-(2018年度~2020年度)」P65参照)、災害時における水の確保の場としても非常に重要なものとなります。そんな都市部の湧水について今一度着目し、保全する取組が進んでいくことを願っております。
えっと、なんの話をしてたんだっけ??
以上、マンホールのお話でした。
水域調査担当:K口
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