2017年の2月は降水量が少なかった印象の関東地方。寒気も何回か入って気温も低い日が続きました。春の足音ももうそこまで・・・からが長く感じます。
以前に「ナガレタゴガエル」を紹介しましたが、続いて紹介する旬な両生類というと「止水性サンショウウオ」です。止水性(しすいせい)というのは水の流れが止まってたまっている、あるいは緩やかになりほとんど止まっている場所のことで、そのような水辺に生息するサンショウウオ、即ち「ナガレナイサンショウウオ」ということになります(そんな種類はいませんが)。
千葉県では例年ならば、2月中に止水性サンショウウオの繁殖期が始まるのですが、前述のとおり今年はなにやら不穏な気候。じっくり機会をうかがって3月4日に探索に出かけました。千葉県では丘陵地が浸食されてできた谷戸環境のことを「谷津」といいます。水はけの良い谷状の地形を利用した水田などの農業とそれに付随する里山の生態系全体を意味することもあります。今回の舞台はそんな千葉県のとある「谷津」になります。
早春の水田ではすでに「田おこし」がはじまっていました。丘陵地の斜面から染み出る水や湧き水は、水路に集められ水田へと導かれます。流れてきた水は水田に入る前に、水温を高めるため「ぬるめ」というたまりにいったん貯められます。「ぬるめ」は流れがほとんどなく、水がプールされています。そんな止水が狙い目です。足音を立てないようにそっと近づくと、お目当ての「トウキョウサンショウウオ」が水中に沈む枝先や植物の茎に乗っています。この行動はオスがメスを誘引するもので、ときどき揺さぶるように身体を動かします。
カメラ機種 : SONY ILCE-6000
レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
露出制御モード : マニュアル設定
レンズの焦点距離 : 50.00(mm)
シャッター速度 : 1/100秒
レンズF値 : F8.0
露光補正量 : EV0.0
フラッシュ : 強制発光・リターン不検出
ISO感度 : 800
トリミング:あり
しかし、オスの周辺をさがしても肝心のメスや卵は見つかりません。そこで少し離れた水路の落ち葉をどけてみると、卵でお腹がポッテリ膨らんだメスをみつけました。これで答え合わせができました。どうやら今年は2~3週間遅れで繁殖期が始まったばかりのようです。
それにしても、千葉でも「トウキョウ」って・・・。「ネズミ」がモチーフの某有名テーマパークみたいです。
カメラ機種 : SONY ILCE-6000
レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
露出制御モード : マニュアル設定
レンズの焦点距離 : 46.00(mm)
シャッター速度 : 1/100秒
レンズF値 : F10.0
露光補正量 : EV0.0
フラッシュ : 強制発光・リターン不検出
ISO感度 : 125
トリミング:なし
両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔
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