「干」ものづくり~二十四節気編vol.19~

肌寒いというより寒い日が多くなってきました。

11月7日からは「立冬(りっとう)」に入ります。

いよいよ冬が始まるわけです。

この時期に枯れ始めた草むらを歩くと、ときどきこんなものが目に止まります。

速贄(はやにえ)

速贄(はやにえ)

ちょっとグロテスクですが。なんだか、分かりますか?

オギに刺さっているのは、特定外来生物のウシガエルの幼体です。

いったい誰がこんなことをするか知っていますか?

「速贄(はやにえ)」という言葉があります。

初物の供え物や急ぎの供え物という意味です。

この供え物をしたのは、人ではありません。「モズ」という鳥です。

「モズ」は漢字で書くと「百舌」というように、色々な鳥の声を真似ることができます。

秋が深まってくると「キィーキィーキチキチキチキチ…」と高鳴きをします。

皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

この高鳴きはどこか小型のタカの鳴き声を連想させることから、「鷹鳴き」が語源なのではないかと勝手に思っています。

もとい、「モズの速贄」は冬を迎えるにあたっての備蓄食糧と考えられています。

餌が少なくなってくる晩秋から初冬に小型の昆虫類や両生類、爬虫類を狩り、縄張り内の枯れ枝などに突き刺して保存するのです。

空気が乾燥し、冷たくなってくる頃は干物作りに最適です。

そういえば人間もこの時期から「干し柿」や「干し芋」、「新巻鮭」など「速贄」を作りますね。

百舌(モズ)

百舌(モズ)

Photo:「速贄」

カメラ機種 : OLYMPUS u1030SW

露出制御モード : Creative プログラム

レンズの焦点距離 : 6.53(mm)

シャッター速度 : 1/250秒

レンズF値 : F4.1

露光補正量 : EV0.0

フラッシュ : オフ(自動)

ISO感度 : 80

トリミング:あり

 

Photo:「百舌」

カメラ機種 : NIKON D600

レンズ:AI AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-ED

露出制御モード : マニュアル設定

レンズの焦点距離 : 300.00(mm)

シャッター速度 : 1/1000秒

レンズF値 : F10.0

露光補正量 : EV0.0

フラッシュ : 発光禁止

ISO感度 : 500

トリミング:あり

両生類・爬虫類、哺乳類担当 釣谷洋輔