環境指標生物は、今から29年前の1987年3月23日に創立されました。今日、2016年3月23日より、30周年の1年が始まります。長いようで、過ぎてしまえばあっという間の30年になります。会社も人の人生も、まぁそんなものでしょうか。
もう記憶もおぼろげですが、私が29歳のときに、それまで7年間勤めた会社を辞めて創ったのがこの会社で、身内から借りた資本金300万円を元手に、東京板橋区の実家2階を事務所代わりにして仕事を始めました。創立当初から割と忙しかったと思います。同年の9月には、新宿区のマンションに小さな事務所を構え、組織も有限から株式に変わりました。
あれから幾歳月が過ぎ、事務所は主に新宿区内を転々として、神楽坂近辺に落ち着いたのが15年ほど前のことになります。過去には札幌支社、仙台支社、高松支社と手を広げましたが、現在も営業活動を続けているのは、東京と札幌だけとなります。また、30年近くにもなれば、社員の顔ぶれもだいぶ変わりました。
野生生物コンサルタント会社としては、もはや老舗と言われてもよいかもしれません。現在は中小の同業態の会社は少なくありませんが、たぶん30年超の歴史があるのは、全国でも片手の数くらいのものかと思います。そうした同業他社さんとの関係も良く、一緒に営業活動をしたり、NPO法人を運営したりしています。
30周年を迎えて、この会社は何かと聞かれると、明快な答を見つけるのは案外難しいと思います。技術力は悪いはずもなく、顧客先からの信頼も厚く、多方面の学会や業界との関係も深い。ただこれは仕事をしていくうえで最低限のことにすぎません。会社としては当たり前のことで、それを続けてきたまでのことです。
私的な話で恐縮ですが、社長の私は30年間一貫して経営者と研究者の二足の草鞋を使い分けてきました。そもそも創業動機が好きな虫の研究生活を自力で創りあげることにあったので。ときどきですが、そうした姿勢が会社文化を培ってきたのではと思うこともありますが、まさかそんなわけもないでしょう。
(新里達也)
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